孫正義育英財団、平成29年度支援人材96人を決定

~高い志と異能を持つ若手人材を支援人材として最大5年間認定
希望者には支援金を給付~

 

一般財団法人 孫正義育英財団(代表理事:孫 正義、以下「当財団」)は、平成29年度支援人材として8歳から26歳(応募時点で25歳)の96人を決定しました。準会員1として1年間2支援します。

 

当財団は、来るシンギュラリティーを見据え、今後大きく変化していく世界における新世代のリーダーを支援することを目的に、2016年12月に設立されました。支援人材を対象に、研究・開発などの活動や支援人材同士の交流の場として、2017年7月18日に渋谷キャスト(東京都渋谷区)に開設した施設を提供するとともに、当財団理事など各分野の専門家や有識者による講演会やネットワーキングイベントなどを開催します。さらに、支援人材のうち希望者に対して支援金を最長4年間給付します。支援金給付の内容および金額は、留学や研究など対象者が将来経験したいことや、成し遂げたいことを応援するための支援を個別に検討します。

 

平成29年度支援人材には、起業して事業を行う大学生や、幼い頃からプログラミングコンテストで優秀な成績を収めた実績のある中学生、ロボット開発を行う高校生など、さまざまな分野において高い志を持って取り組む若手人材が選ばれました。当財団は、高い志と異能を持つ若手人材が、新しい価値観や最新のテクノロジーに触れることや仲間と交流することなどにより、自らの可能性をさらに広げ、未来を創る人材へ成長するための支援を行っていきます。

 

※1 1年間限定で準会員として認定し、1年間の活動実績をもって正会員認定可否を判断します。準会員に対しても、予定通り、支援金給付や支援人材向け施設の無償利用、当財団主催イベントへの参加などの支援を当財団から行います。

※2 準会員認定期間を含む最大5年間、正会員として在籍可能です。1年に一度延長希望を確認します。5年間の満期を迎えた場合でも、5年に一度の延長認定審査を経た場合、28歳まで在籍可とします。

 

平成29年度支援人材の5人にそれぞれの思いを聞きました。

 

・中森 萌(なかもり もゆる)さん・8歳

中森さんは、9月からカナダ・バンクーバーでギフテッドプログラムに参加します。中森さんは、「僕は研究者になる。そして、世界の人々の役に立って非常識なことを発見したい。そのためにはいろいろな知識がないといけない。また、新しいロボットで危ない所を調査すると聞いたことからすぐ、人のためになるロボット、いろいろなことができる知識を持ったロボットを開発したいと思った。また、人の知らない化合物や物体を発見したい。そのためには、今あるいろいろな化合物を知って、その知識から新しいものを作っていきたい。自分の目的は、人のためになることをすること。バンクーバーでの目標は英語で飛び級して、早く大学生になること」と話しています。

 

・榎峠 鞍馬(えのきとうげ くらま)さん・12歳

榎峠さんは、海外の学校で5年生(10歳)の時に、7年生から9年生までの数学を1カ月間で修了し、現在は11年生の上級コースを履修しています。榎峠さんは、「財団からの奨学金のサポートによって、リベラルアーツをしっかりと身につけたエンジニアになりたいです。そして、財団の仲間と切磋琢磨して、ともに世界のさまざまな問題の解決に貢献していきたいです」と話しています。

 

・菅野 楓(すがの かえで)さん・13歳

菅野さんは、9歳からプログラミングを始め、10歳で応募したU-22プログラミングコンテスト2014において、最年少で入賞するなどの実績があります。今年は21世紀型イノベーション創出を担う人材を育成する未踏ジュニア(運営:社団法人未踏)にも選ばれました。菅野さんは、「物語が大好きなので、現在は自然言語処理の開発に取り組んでいます」と話しています。

 

・佐野 めぐみ(さの めぐみ)さん・18歳

佐野さんは、国際脳科学オリンピック全英大会で優勝し、世界大会に出場した実績を持ちます。国際青年脳科学協会の副代表理事を務めており、今夏までロンドン大学での自閉スペクトラム症の研究に携わった佐野さんは、「脳の発達の仕方は人によってさまざまですが、それぞれの脳は生まれ持った特質に応じて、最大限のレベルで機能できるよう発達していきます。発達の仕方の違い、そしてそれが物事や環境の認知に与える影響を研究し、非定型発達と言われる人々が自分の強みを社会で発揮できるよう力を尽くしたいです。9月から入学するスタンフォード大学では、脳神経の生理学的な解明だけでなく、人工知能の工学的な開発も学んで、神経科学を多様な角度から追究します。財団から支援いただき、各分野で輝く会員の皆さんと交流することで、私の夢に向けた大きな一歩を踏み出せることに深く感謝しています」と話しています。

 

・矢口 太一(やぐち たいち)さん・18歳

矢口さんは、10歳から「セミの飛翔」研究に取り組み、16歳で応募した第59回日本学生科学賞において、内閣総理大臣賞受賞などの実績があります。矢口さんは、「これまでの実績だけでなく、これからの可能性を評価していただいたのだと感じています。当初は純粋な興味から始めた『セミ』の研究をこうして認めていただけたこと、そしてこれからの可能性を見出していただけたことがとてもうれしいです。財団では、幅広い方面で活躍する会員のみなさんと切磋琢磨し、ともに学びながら、『人類の未来』に貢献できるように精一杯頑張りたいと思います。財団の一員としてのこれからの活動が楽しみです」と話しています。

 

■支援人材向け施設概要

1.場所:渋谷キャスト2階

2.施設内容:

支援人材同士が切磋琢磨しながら才能を磨く環境として、以下を提供します。

(1)機器

スーパーコンピューター、3Dプリンター、ドローン、VR・AR機器、Pepper、タブレット、各種OA機器などを常設し、最新テクノロジーに触れる機会を提供します。

(2)書籍/論文

生物学、化学、テクノロジー、ビジネスなど、多岐に渡る分野の書籍、論文を取りそろえ、いつでも読める環境を提供します。

(3)飲食物

ミネラルウォーター、コーヒー、お茶、ジュースなどの飲料とデリバリー、お菓子などの食べ物をすべて無料で提供します。

(4)その他設備

自由に使えるワークエリア、集中できる個人ブース、ミーティングスペース、コミュニケーションを取りやすいソファエリア、ロッカー、無料Wi-Fiなど、支援人材が思い思いに使えるスペース、設備、環境を用意しています。

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